とうがらしの辛さ
代表的な香辛料と言えるとうがらしですが、とうがらしは種類によって辛味は大きく異なります。ハバネロのように例外もありますが、一般的には細長く先のとがった形状のものが辛いと言われています。
辛味の元カプサイシン
ピーマンのように辛くないものから、ハバネロのように激辛なものまでありますが、その辛味の成分はカプサイシン(Capaicin)と呼ばれる化学物質から生じています。
カプサイシンの辛味の成分は、こしょうの辛味の成分であるピペリンの約100倍の辛さを持っています。そのため、こしょうより少量でも、効果的な辛さを得ることになります。
カプサイシンは香辛料の辛味成分としては最も辛いものです。
最も辛い部分は?
辛味の成分が一番多いのは果実の胎座と隔壁と呼ばれる部分です。種子が辛いと言われますが、実際は種子は辛くはありません。
しかし、とうがらしの最も辛い部分に触れているため、辛味成分が付着しています。そのため、辛いと思われています。
辛さを表すスコビル値とは?
化学者のウィルバー・スコヴィル(Wilbur Scoville)は、とうがらしの辛さを測ろうとしました。
当初はとうがらしの辛味物質を、他の化学物質と反応させることで辛さを測ろうとしましたが、十分な反応が得られませんでした。 そこでスコヴィルは、測定の方法として、人間の「舌」に着目しました。人間の舌はきわめて敏感であると判断したからでした。
実験方法は単純で、とうがらしの辛味成分であるカプサイシンに、甘味のついた水を一定の割合で加えていき、辛さが認識できなくなるまで続けていくという方法です。 こうして各種のとうがらしの辛さの程度を測ることができ、測った値は「スコヴィル値(Scoville scale)」と名づけられました。
しかし、この実験の最大の問題点は、人間の主観によって異なるという不明瞭さでした。現代では、人間の舌と同じくらい感度の良い機器によって測られています。
ただし、「スコヴィル値」という言葉は今でも用いられています。
スコヴィル値一覧
同じ種類のとうがらしでも、育ちの環境などにより辛さは異なります。ここで表すスコヴィル値はおおよその値です。
とうがらしの中で世界一辛いとギネスブックに認定されている品種は「トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー(Trinidad Scorpion Butch Taylor)」です。(2012年7月現在)
ギネスブックでは次々と記録が更新されていて、以前に認定されていた品種は、レッドサビナ種のハバネロや、ブート・ジョロキア等があります。
甘い品種のピーマンは、カプサイシンがない、つまりスコヴィル値は0となります
種類 | スコヴィル値 |
---|---|
純粋なカプサイシン | 16,000,000 |
トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー | 146,3700 |
ブート・ジョロキア | 100,1304 |
ハバネロ レッドサビナ | 57,7000 |
ハバネロ | 300,000 |
三鷹唐辛子 | 50,000 |
カイエンペッパー | 35,000 |
タバスコペッパー | 35,000 |
セラノペッパー | 20,000 |
ハラペーニョ | 3,500 |
ポブラノペッパー | 3,000 |
タバスコソース | 2,500 |
ペペロンチーニペッパー | 500 |
ピーマン | 0 |